1話 10日後のまた数日後
ーーー診察室で言葉を交わす桜木と主治医の中込
中込「リハビリは順調なようだな、桜木君。」
桜木「うむ、このリハビリ王にかかれば何という事もない!」
中込「頼もしいな、しかし君の怪我は筋肉系の怪我だ。肉離れ等の筋肉系の怪我は痛みが無くなったからといって負荷をかければ再発してしまう。」
桜木「そのあたりは村上さんから耳にタコができるほど聞かされたぞ…」
{*村上さん…コミックス最終話で海岸にいた桜木を呼びに来た女性}
中込「オレも安西先生から頼まれているんだ。将来日本を代表する選手になるかも知れない男だから、しっかり治してやってくれってな。」
桜木「はっはっはっ、さすが元日本代表のオヤジ、見る目がある!!」
中込(言わない方が良かったかな…)
「食事の指導なんかも村上さんから受けたんだろう?アスリートは食事も大切だし、君はまだ高校1年生。男は20歳を過ぎても背が伸び続ける事は珍しくないからな。試しにそこで計ってみるといい。」
事実、桜木の肉体的成長はまだ止まっていない。
そしてそれは桜木だけでなく…
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ーーー喫茶店で再び田岡と高頭
高頭「では、この間の電話で伝えた通り、田岡先輩に神奈川選抜のコーチとしてチームに帯同していただきます。」
田岡「ああ、よろしく頼む。」
高頭の予定通り、国体は選抜メンバーで挑むことになった。
当初、監督は夏の神奈川王者の海南・高頭、コーチは準優勝の湘北・安西という事になったが安西は辞退。
辞退の理由は全国大会前に体調不良で倒れた事もあったが、それ以外にも思うところがあるようで…
田岡「さっそくだが選手の目星は付けているのか?」
高頭「はい、このリストを観て下さい。」
候補者リストには海南、湘北、綾南、翔陽の主力、さらに津久武の南郷や三浦大の内藤、武園の小田の名前もある。
そして桜木花道と緑風の選手の名は赤ペンで線が引かれている。
田岡「緑風には断られたか?」
高頭「アメリカへの再留学を決めたマイケル沖田の日程を確認しようと連絡を入れた時に…。」
田岡「沖田以外にもセンターの名高や武石中出身の克美も良い選手だろう?」
高頭「ええ、彼らの事もマネージャーに断られました。ウィンターカップへ向けて並々ならぬ想いがあるようで…。」
田岡「そうか。うちの魚住もリストから外してくれ。部に顔を出してはいるが、親御さんとの約束があるんでな。」
高頭「わかりました。翔陽の藤真君からは3年生全員が冬まで残るので、何人でも呼んでくれと言われています。」
田岡「あと確認が必要な3年生は湘北の赤木君か。」
高頭「安西先生の方から今日中に伝えていただけるそうです。明日にでも連絡があるでしょう。」
田岡「ふむ、では本格的な選手選考は明日にしよう。リストは貰っていくぞ?」
高頭「ええ、ではまたこちらからご連絡させていただきます。」
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神奈川高校バスケの新たな戦いが始まる。
続く
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あとがき
私は右ハムストリングの肉離れで筋肉系の怪我の怖さを知りました。
初めてこういった創作系のブログをやるのですが、頭の中にネタはあっても、それを文章にするのは思っていた以上に大変な作業です。(楽しいですが。)
スラムダンクの続きで有名なKさんはこの作業を何年もやっていたんですね。
いざ自分がやってみて、その苦労が分かりました。